新型コロナウィルスがいま猛威を振るっている。
目には直接見えないだけに恐ろしい。
毎日のように感染者は増え続け、
マスクは欲しいのに手に入らない。
これだけニュースでライブハウスや
フィットネスクラブでクラスター形成か?
などと騒がれているが、
我々の働く工事現場で感染者が出たという
情報は全く耳には入ってこない。
ガテン系は体が頑丈だからウィルスに強いのか?
いや、そんな事はない!
実際に15年以上の現場経験があるからこそ分かる
感染者がでないカラクリをいま紐解く。
Contents
現場に感染者は絶対にいる!そう思う訳とは?
・朝8時!現場で絶対にある朝礼はクラスターの危険大!
どこの現場へ行ってもほぼ間違いなく
『朝礼会場』というところに集まって
まずはラジオ体操をする。それが終わると
密になって整列し前の人の肩もみ肩たたき。
最前列には各職長がマイクを廻し
今日の人数と作業内容を報告する。
そのあとゼネコンの監督が当番制で
前に出てきて長々と
・今日の作業内容
・現場の危険なポイント
・搬入ヤードの説明
・安全注意事項
・報告事項
・他現場での事故事例
などを話し出す。
大きな現場になると朝礼会場には
1000人規模になる。
ライブハウスと変わらないのだ。
作業員が休憩する『詰所』はクラスターの温床となっている可能性大!
現場に来た作業員が
・10時の一服
・12時の昼休憩
・15時の一服
ができるように休憩するスペースが
存在する。
読んで字のごとく『詰所』(つめしょ)
狭い場所にたくさんの作業員が入るから
詰所という。
現場の中に防煙シートやブルーシートで
詰所を作るところがほとんどで、
換気があるほうが珍しい。
現場作業員のマスク着用率はけっこう悪い
これだけ新型コロナウィルスが流行っても
現場作業員のほとんどがマスクを着用しない。
そこで、都内某所の建築現場に行った際
なぜ現場でマスクをしないのか聞いてみた。
答えはだいたい似たようなものが多かった。
「マスク売ってないもん」
「マスクすると暑い」
「マスクすると呼吸が苦しい」
中には
「オレの勝手だろ」
「後で酒飲めばアルコール消毒だろ?」
なんて危機管理能力ゼロの輩も・・・
作業員の多くが日給月給制
監督を除くほとんどの作業員は
現場へ行った日数×日払い単価の
日給月給制となっている。
つまり休んでしまえば給料はゼロ!
仮に咳が出て
『コロナかもしれないので2週間休みます』
なんて言ったらアホか!と言われる事は
ほぼ間違いない。
多少体調が悪くても日給月給なのだから
来ないという選択肢は彼らにはない。
工事遅延は許されないゼネコンの思惑が働いている
建築工事全般を請負うゼネコンを筆頭に
ピラミッド方式で工事契約が交わされている。
万が一、工事が遅れるなんて事があれば
工事を発注した施主に対して莫大な
違約金の支払い義務が発生するばかりか
下請け会社からは
工期延長による追加工事の請求が
降りかかってくることになる。
例えコロナウィルスで首都が封鎖されようと
はたまた現場でコロナ感染者が出ようと
現場を止める選択肢は彼らには無いだろう。
この間違いを正すには
政府が緊急事態宣言を出し、労働者への
給与補償を確約するべきである。
これ以上、日本がおかしな方向へ
進まない事を切に願う。