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意匠的な見た目:機能の理想値ですが、

消防設備士的には1:9で良いと思っています。

 

スプリンクラーヘッドの配置はセンスだと思います。

・消防法の法的離隔

・機能

・予算

そして意匠的な見た目を妥協または満足させながら

全てを網羅したものとしなければならないからです。

 

これを恋人に対する理想や条件に置き換えると

・やせマッチョで性格やさしい

・運動神経抜群

・年収5000万以上

そしてルックス全てを満たそうとしたとすれば、

その難しさを痛感する事になるでしょう。

 

今回は実際に私が過去に要望された事をベースとした、

気を付けなければいけない事や注意点を書いておきたいと思います。

 

 

 

照明ラインとスプリンクラーヘッドをそろえたい

これは、設計者との打合せの場にいた事のある人ならば

誰しも一度は聞いた事があるフレーズでしょう。

 

確かに照明ラインとスプリンクラーヘッドが揃えば

とてもきれいに見えます。

ですが、揃う確率はせいぜい20%くらいかな。はっきり言って『高等技術』です。

 

なぜ揃わないのかと言うと、

スプリンクラーヘッドと照明は位置の追い出し方がそもそも違います。

スプリンクラーヘッドは床に通り芯から追い出した寸法を書いてポイントを出したら

垂直に上がるレーザーを目印にして天井下地にヘッドを固定します。

 

対して照明は天井ボードが貼られる前に配線だけ仕込んでおいて

ボード施工後に壁仕上げから追った寸法で穴をあけます。

この時、通り芯なんてものは床仕上げに隠れて見えない状態なので

電気屋さんは仕上げから寸法を追うしかないのです。

 

壁仕上げも建築誤差の帳尻を合わせるために12.5㎜のボードを

もう一枚貼っちゃいましょう!となっていれば最悪です。

 

検査の指摘では《スプリンクラーヘッドがズレてる》と書かれます。

 

私は過去に建築の竣工検査でズレてるよとかなりの指摘をもらった事がありますが、

「我々は通り芯から追い出しているので位置を間違えるはずがない」

「位置がズレてるのは電気のほうでは?」

 

と返すと電気屋さんが怒りだし、『なめとんかワレぇ‼』

『ズレとんのはスプリンクラーのほうじゃけぇ!』と喧嘩モードに。

 

「そこまで言うなら床剥いでどっちが悪いか決めましょう」

「ウチが間違ってなかったら解体費用と天井補修費用、両方もって下さい」

 

『な、なにもそこまでせんでもええんちゃうか・・・』

と、急に弱腰になる電気屋さん。

 

結果的には電気の位置が間違っていた事が証明されたので

70万円もの床解体費用と天井補修費用は電気屋さんにもってもらいましたが

その電気屋さんは二度と話しかけてきてくれませんでした(笑)

 

こういったトラブルは良くあるので注意しましょう。

 

 

 

ダクトとスプリンクラーヘッドを揃えたい

ダクトの天井器具であれば、スプリンクラーヘッドと同じ

通り芯から追い出ししますので、照明ほどズレる心配は

しなくても良いとは思いますが、

 

ダクトは設計の仕様変更などで当初吹き出しはアネモだったけど

ブリーズラインに変わる事も考えられます。

 

そうなるとアネモにばっちり合わせていたはずのスプリンクラーヘッドは

意匠上【置いてきぼり】をくらう羽目になり、検査の時に検査官から

《なんでこんな所にスプリンクラーヘッドがあるの?》となります。

 

変更のリスクがあるものに合わせるのははっきり言って危険です。

 

 

 

扉の真ん中とスプリンクラーヘッドを合わせたい

扉の、というかドアの真ん中にスプリンクラーヘッドを置く事自体は

悪い事ではないです。

むしろ扉の前面警戒という事でスプリンクラー的には条件が良いです。

 

ですが、扉の多い

・ホテル

・マンション

・学校

などでは扉の前に一個ずつスプリンクラーヘッドを配置したら

とんでもなくヘッドの数が増えてしまいます。

 

それと扉の軌跡内にスプリンクラーヘッドを配置する場合は要注意です。

例えば天井のCH=2800、扉がCH=2790などの場合は扉軌跡内にヘッドを配置すると

当たります。

 

扉が防火戸だったりすると、扉自体がとても重量がありますので

スプリンクラーヘッドなんか一瞬で吹っ飛んで、水が出て

消火ポンプが起動して大漏水事故に繋がりかねません。

 

天井のクリアランスの有無はきちんと確認しておく必要があります。

 

 

天井からヘッドが出てこないスプリンクラーヘッドがいい

 

最近この手の要望を出してくる設計者、増えてます。

通常時は天井からヘッドの突出がなくて、火災で熱感知したときだけ

出てくるタイプの新しいヘッドなので見た目はスッキリです。

 

設計図に「SPヘッドはコンシールドヘッド使ってね」と

書いてあって予算もそれで見ていたら仕方がないですが、

施工的にも手間暇がかかる上に、ヘッドも高額になります。

 

設計図にそんな事書かれていないのにコンシールドヘッドにする

ように言われたら、ちゃんと指示書を発行してもらいましょう。

 

その時、見積りも添付してあげるとなお親切です。

ほとんどの設計者はその見積額を見て「やっぱりいいです」と

言うと思います。

 

 

なんならスプリンクラーヘッドの色も変えたい

天井から出てくるあの銀色の部分、カッコ悪いから

メーカーに依頼して指定色に変えて下さい。

と言われる事がたまにあります。

 

「色、変えれません・・・」と断って下さい。

 

スプリンクラーヘッドは消防検定品を使いなさいという縛りがあるため

勝手に色を塗ったりすれば、熱感知が遅れたりします。

そもそも消防法違反となりますので色を変えたり貼ってあるシールを

剝がしたりも間違いなくNGです。

 

全力で断ってOKです!

 

さいごに

 

意匠設計者の要望を聞いてあげる事は悪い事ではありませんが、

それは消防法を逸脱せず、且つ機能的に問題の無い範囲内に限ります。

 

その確認を疎かにして要望を鵜呑みにしてしまった為に

予定していたスプリンクラーヘッドの数がアホみたいに増え、

予算はオーバーし、消防法違反なんて事になれば本末転倒です。