消防設備士として仕事を始めてから今回、

はじめて「広範囲型2号消火栓」の改修を行いました。

 

初!

という事もあり分からない事がたくさんあり、知恵袋等で情報を集めてましたが

ネットで調べても本当に必要な情報が少ない事実を知り、これは誰かが同じような

状況になったら困るだろうなと思い、これが直ぐに答えが分かるページにします。

Contents

広範囲型2号消火栓に改修する場合、着工・設置は必要になります

新潟県の場合は改修が1台であっても着工届の提出から必要になってきます。

地方によっては違うかもしれないので事前に所轄消防へ確認しましょう。

 

着工届の表紙で工事の種類に〇をつける部分は『改造』になります。

 

着工届は工事を行おうとする10日前までに工事をする場所を管轄する

消防署の予防課へ提出します。

 

 

広範囲型2号消火栓に改修する場合に注意すべきことは?

広範囲2号消火栓は

流量が毎分80L 水平距離25mとなるので

現存する1号消火栓と2号消火栓の良いとこどりのようなメリットがある一方で

注意すべきことが何点かあります。

 

用途によっては広範囲型2号消火栓には改修できない

  1. A.工場又は作業所
  2. B.倉庫
  3. C.指定可燃物(可燃性液体類に係るものを除く。)を貯蔵し、又は取り扱うもの

これらに該当する用途に設置された1号消火栓・易操作性1号消火栓は

広範囲型2号消火栓には改修できないので注意しましょう。

 

圧力の事前確認が必要

広範囲2号消火栓の放水圧力は0.17~0.7MPaと

1号消火栓と同じ圧力レンジとなっていますが、

安全率をみてどのメーカーも0.3MPa以上確保されているか確認くださいと

謳っています。

 

屋内消火栓の放水テストではポンプの直近単独放水と

ポンプの最遠2基同時放水の2つの試験でその両方が上記規定圧となるかを

確認しますが広範囲型2号消火栓のホースは25Aと小さくなるぶん圧力損失が大きくなるので

 

現状0.2MPaしか放水圧力が確保できていないとすると

広範囲型2号にすると規定圧を下回るリスクがあります。

 

収納スペースを確認する

消火栓メーカーで言うと

立売堀製作所

横井製作所

が2強と言われるほどのシェアを誇っていますが

 

現時点取り付けられている屋内消火栓箱の内部有効寸法を

確認しておかないと、いざ取り付けるとなったときに

入らない、納まらないなんて事が起こる可能性があります。

 

消火栓バルブの高さ

消火栓バルブの向き

収納スペース

を事前に確認しておきましょう。

 

 

消火栓バルブの接続口を確認しておく

これは意外と盲点なのですが

立売堀製作所の改修キットでは消火栓バルブと広範囲型2号消火栓のホースを繋ぎかつ

リミットスイッチを兼ねたアダプターが付属品で届きます。

アダプターは40町野メス×25A消防ねじオス

つまり既設の消火栓バルブの接続口が40A町野オスじゃないと

接続できないというトラブルが発生します。

例えば消火栓バルブが30消防ねじオスで待っている場合は

それを接続するための媒介金具が必要になります。

30消防ねじメス×40A町野オスです。

 

 

そんなの近くのホームセンターには絶対置いてないですし

頼んでもすぐ入ってくる代物でもありません

 

改修日に確実に接続できるのか細心の注意を払う必要があります。

 

消火栓バルブの交換が必要になるケースもある

横井製作所の改修キットでは

※ノズルスイッチ仕様の場合、バルブ交換不要

と記載があります。

 

裏を返せばですよ、極端なはなし既設の消火栓バルブがノズルスイッチ仕様ではない場合

消火栓バルブの交換が必要という事になります。

 

これはどういう事かと言いますと

消火栓バルブを交換するために配管内の水を全部抜かなければならない事を意味します。

改修で消火栓バルブを外すのは至難の業です。外してる最中にねじが潰れてしまうかもしれない。

 

もしそうなれば屋内消火栓の機能復旧にかなりの時間を要します。

多少媒介金具で費用がかさんでも消火栓バルブを交換しない改修方法を

おすすめします。