ダイテック社が無料で提供しているCADで【Tfas(ティーファス)ビューア】
というソフトウェアが存在します。
私も以前勤めていた会社で『設備配管図』を描くために
通常版のTfas6~10までを利用してきましたが、次の会社では
導入費用が高額になる為か導入を保留にされてしまいました。
そこで仕方なくTfasビューアをインストールし、操作してみたのですが、
使えるのか使えないのか?
300MBも容量を食うビューアをPCへインストールする価値があるか?
私が感じた設備CADの動向みたいなのを書き記しておきます。
Contents
使えるか使えないかと言われれば『使えない』
通常版のTfasとくらべてビューアは本当に「閲覧するだけ」でした。
レイヤも触れなければ配管図を描くためのツールもない。
無料なので文句は言えないかもしれないですが、300MBものPC空き容量を
献上してまでインストールする価値は無いなと思いました。
他のサイトでは「見る事ができて印刷もできる」と太鼓判を
押している方もいますが、それは開こうとする図面が
・印刷設定があらかじめ配慮されている
・レイヤやシートの表示・非表示が希望通りである
・色や線の太さが分かりやすくなっている
・文字化けや文字の重なりがない
・図面縮尺が合っている
場合だけであって、印刷して積算や見積りには使えても
現場や打合せの場では到底使えるものではないと思います。
よって、ただ見る事ができて紙やPDFに印刷することができたとしても
肝心要の編集機能がビューアには備わっていない為、なんの価値も見いだせないのです。
Tfasビューアのメリット・デメリット
メリット
・無料である
・印刷ができる
・PDFにできる
・とりあえず図面は開ける
デメリット
・編集ができない
・作図ができない
・線の色や太さ等を変える事ができない
・非表示にしたい部分があっても非表示にできない
・シートやレイヤを触れない
・データの保存ができない
・システムファイルは64bit版で300MBもの負荷がかかる
無料でCADを使って図面を作成したい場合は?
上記のTfasビューアのメリット・デメリットの通り
無料で建築図や設備図を作図する事はできません。
使い勝手は悪いですが無料でCADを使って図面を作成したい場合は
【JW】というCADソフトをおすすめします。
拡張子は「.jww」になります。
AutoCADに近いので「建築図」を作図する方向きと言えます。
JWではAutoCADの拡張子である「.dwg」は開けませんが、
「.DXF」ファイルであれば開くことができます。
設備図を作図し、長年Tfasになじんだ後にJWを使うと
操作感が全く異なり混乱すると思います。
私がまず混乱したのは画面のズームアップのスクロールが逆な事と
(※設定で変える事ができました)
画面内の横移動ができなかった事でしょうか。
「delete」と「escape」キーの使い方もイマイチでしたし
線の伸縮方法もTfasと手順が逆で煩わしかったです。
慣れてしまえば寸法を入れたり文字を移動したりはもしかすると
Tfasより楽に感じるかもしれません。
車の運転と同じでCADも毎日触らないとすぐにバージョンが
新しくなり、操作方法を忘れてしまします。
設備CAD業界の今後の動向について
CADといっても数多くの種類があり
我々CADを扱う技術者としては市場で長く使える王道とよばれる
CADソフトを長く使っていきたいですよね!
設備CAD業界ではいままで王道と言われてきた「Tfas」ですが
時代の流れなのか、今後衰退していくのではないかとの見方があります。
それはどういう事なのかというと2017年頃から
関東首都圏における官庁物件では『レブロ』という新星CADを使って
納入するよう国が求めてきた事に起因します。
そもそもレブロはTfasから派生して出来たCADソフトですが
レブロには最新の3D技術が詰め込まれ、それを国も認めて
『今後の官庁物件はレブロとし、竣工時はデータ納入とする』
というお墨付き与えたのです。
普通であれば完工時には竣工図書として図面をA1サイズにして
青焼き版を大量に印刷して施主に納めますが、
『青焼き版は要らないからデータだけくれればいいよ』
といった【ペーパーレス化】が着実に進行しています。
よってレブロでのデータ上の誤魔化しは一切通用しなくなるので
現場とレブロデータは常に最新に更新し続けないとダメです。
これからCADを習得しようと思っていて
時代を先どって行きたい場合は【レブロ】CAD習得が
長い目で見たら最短ルートなのかもしれません。